複合汚染 (新潮文庫)

複合汚染 (新潮文庫)

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新潮社
価格: ¥820

複合汚染 (新潮文庫)のレビュー

発行から20年。農業は変われたのか?
有機農法や自然農法を行う人たちのキッカケとなった本。
昭和50年前後の日本において、人体に害を及ぼす恐れのある
農薬や家庭用洗剤がいかに無配慮に使われていたかという状況が書かれている。
あくまでもこれは20年以上も前のことであり、
あまりにまともに受け取ってしまうと、現状を見誤ることになる。
人への害ということでは20年前とは随分改善されているかもしれないが、
日本の農業ということに関してはまだまだ道を見出せていない。
そんな中で、この本にも書かれている循環的・自給的農業というのが
今後の日本の農業の一つの道ではないかと思います。
複合汚染
私たちのすぐ傍らに潜むが、あまり気づかずにいる危険について書き綴られている。洗剤、農薬、除草剤、排気ガスといった私たちの生活に直結する問題について、ものによっては商品名や企業名もあげて掘り下げているので、発表当時インパクトが大きかったことは理解できる。
著者は、腐らない野菜や卵、あまり汚れが落ちない洗剤などの矛盾を指摘した。しかし、ほとんどの人は、その矛盾にとくに気づくことがなかった。恐ろしいのは、矛盾に気づかないように知らないうちに「教育」されてしまっていることだと感じる。
35年前に比べれば、この本に挙げられたような問題は、ある程度は改善されているかもしれない。一般市民も、こういった問題に対して敏感になっているだろう。しかし、私たちの健康や安全に関わる問題は無くなるわけではなく、むしろ増えているかもしれない。そんななかで、この本は時代を超えて警鐘を鳴らし続ける名著だろう
日本版沈黙の春
私の進路を決めた本。今となっては、科学的にあやしい点も散見されるが、この本の触発力は専門家によるものよりはるかに大きい。
時代を超えた名作
これが出版された当時と現在とを比べると、ほとんど状況が変わっていないというのが怖い。
現代になって、アレルギーなどの健康上の問題が多くなってきているのは、ここで書かれていることが背景になっているのかもしれない。
今こそもう一度広く読まれるべき作品だ。
農薬で鬱
昭和49年(1974)10月14日から八ヶ月半朝日新聞朝刊に連載された(あとがきより)。
パラパラと見て、塩しか使てない京都の漬け物の話から読んだ。
農夫病ともいわれた農薬による鬱病…農薬で神経を病む(=今で言う鬱だろう)から胃を悪くしていき、
家庭が暗くなり、全員が鬱傾向になり、一家全滅した農家の話がつづいた。
ふっと、現代の自殺者三万人超という話を思い出し、これは?!と思った。
過去に日本人はとても頑健で気力も充分だったが、今では鬱になっている。
農薬のせいである(かなり短絡的にまとめているので本書を読んでいただきたい)。
さらに農薬だけではなく食品添加物、中性洗剤……

昔書かれたものなので、今では状況は更にわるくなっている。
山のてっぺんに行かないと農薬に汚染されていない土がないとあるが、
昭和五十年代松食い虫予防の農薬の空中散布が頻繁にあったことを思い出し、愕然とした。
さらに今では、遺伝子組み替え作物(農薬耐性の作物を遺伝子組み替えで作り、畑に農薬を撒き、何も生えない畑にその遺伝子組み替え作物だけを育てるというテレビドキュメントがあった。できあがった作物は人体は食べ物と感知しないとも言っていたが)
日本という国は戦前から工業国家で農薬や化学肥料がたくさん撒かれていたという。
過去にたくさん撒かれた水銀農薬、禁止されて後、東京オリンピックの選手の髪から限度ギリギリなくらい多くの水銀が検出された。
今ではあまり話題にもならないけれど、PCBも、当時よその国から人体実験と言われるほど汚染が酷かった。まるで今の中国じゃないか…